介護保険日記４３ 介護施設のホテルコスト

厚生労働省から、介護施設のホテルコスト徴収案が出ました。
正直なところ、食費は完全自由化、４人部屋で部屋代３万円くらいを予想していたのですが、資料にはずっと控えめな数字が並んでいました。

この資料を説明する前に、まず「１割負担の限度額」と「施設の食事代減免」、「居住費の減免」をおさらいしておきましょう。
「１割負担の限度額」とは、医療保険と同様に介護保険にも定率負担の上限があり、一定額以上が払い戻されることです。所得段階の第２段階や第１段階では、この限度額がより低く設定されています。次に、「施設の食事代減免」ですが、施設での食事代は通常１日７８０円です。これが第２段階や第１段階では、それぞれ５００円、３００円に減免されます。さらに、「居住費の減免」とは、新型特養（ユニットケア）の場合に適用されるもので、第２段階や第１段階では居住費が１万～２万円程度安く行なります。
資料の左側にある現状の支払額は、それらの減免を適用した場合の金額を示しています。

次に、改正案ですが、特養のケースを大雑把にまとめると、第３段階以上は負担増、第２段階以下は据え置きor値下げです。
第３段階以上では、食費が値上げされ、高熱水費も自己負担となることで、１カ月に３万５千円程度、負担額が増えます。相部屋の場合、保険外も含めこれまで１カ月７万円弱の支払いであれば、１カ月１０万円くらいの負担になるでしょう。
第２段階以下でも高熱水費が自己負担となりますが、居住費の減免が適用され、また「１割負担の限度額」が見直されることで払い戻しが多くなり、負担はこれまでと殆ど変わりません。

最大のポイントは、第２段階で所得の少ない人（新第２段階）の場合、１カ月６万円以下で新型特養（ユニットケア）に入れることです。これは事実上、国民年金しか収入がない人でも新型特養に入所できることを保障したものです。
厚労省、えらい。(^-^)//""ぱちぱち
真面目に納付してようやく給付される年金で、特養にも入れないのでは、人生哀しすぎますわ。年金での生活を保障すること、それが「国の死守する一線」なのでしょう。
全く、同感です。

ただ、少しばかり残った不安も書いておかねばなりますまい。
特養に入る高齢者は、大抵世帯分離をします。その結果、多くは年金収入のみの独居老人と見なされ、ほとんどが第２段階になります。憶測ですが、特養に入っている高齢者で、第３段階以上の人は、入所者の４割にも満たないのではないでしょうか。
つまり、今回の改正で、介護保険財政はどれくらい楽になるのかな、、、、、と。

たしかに、支払えない人に「特養から出てけ」というわけにもいかないし、この程度ならしぶしぶでも払ってくれるだろうし、提示された金額は妥当だと思います。
ただ、そうだとすれば、他にどこを節約するつもり。。。？？