介護保険日記52 過労死シタクナイ

気が付いたら、前の更新から1カ月以上経過してました。
なんかもう、厚労省の担当者に「一緒に過労死しようね」と云われてるような感じです。

かなめの保育園への送迎がはじまったけど、当然定時に帰れなくて、事実上、祖父母にまかせきりだったり、
少々疲れがたまり、残業中にPCへ珈琲を溢して踊ったり、
部長に言われて作成した関係部署スケジュール表を見返して暗鬱な気分になったり、
部長公認で関係部署に危機意識を煽ってみたり、
前回の配布された推計ワークシートを基礎に試算用ワークシートを作成しつつ、今回は一体どのような算定ワークシートが配られるのかと首をひねったり、
そんな毎日です。

他の保険者の計画担当者さんも、同じような感じなんですかねぇ。。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

介護保険日記51 給付費抑制に本当に大事なこと

この特集を読み、ああ、やっぱり考えることは一緒なのだなぁ、と実感しました。

特に以下の部分。

――国の狙い通りに、給付の伸びは抑えられるか。

 永見 給付費の割合で言えば、「要支援」「要介護1」の人向けはせいぜい2割程度。要介護状態の人が悪化することのほうがより深刻だ。

 新美 給付抑制が目的というより、今の高齢社会の中で、いかに社会的に自立した高齢者を増やすかが課題。結果として給付の効率化につながればいい。

 石田 給付費の伸びの抑制に失敗すると、次は給付切り下げや、現在は1割の自己負担を2、3割へ増やすという話が出てくる。それを防ぐには、住民を巻き込んだ議論が必要。そのためにも、国にはベースとなる情報をできるだけ早く出してほしい

(以上、敬称略)


永見氏が指摘されるように、介護予防を行なうことで、給付が劇的に改善するとは考えられません。要介護度1や要支援は認定者全体の40~50%ですが、給付費の比率でいえば、それよりはるかに低くなります。保険財政で言えば、要介護度4や5の人の着実な増加がボディーブローのように効いています。

もちろん、だから現段階での介護予防が無意味かと言えば、そんなことはありません。
防げる悪化を抛っておく必要はないですし、給付費抑制の効果もあるでしょうから。
ただ、取り沙汰されている予防施策のみでは、効果が限定されているということです。

今回の議論の中心は軽度者向けのものであり、重度者向けではありません。ここで注意しなくてはいけないのですが、軽度者と重度者の増減は、必ずしも一致しません。厚生労働省のこの資料(介護保険かわらばん)にあるように、軽度要介護者の疾患と重度要介護者の疾患には差異があります。健康な人がいきなり重度要介護者になるケース(脳血管障害など)も、少なからずあるということです。給付費抑制で重視しなくてはならないのは軽度者よりも重度者ですから、いきなり重度要介護者になるケースへの取り組みも、大きな課題です。

政策では、取り組みやすさや即効性も勘案しなくてはなりません。その意味で、”取り組みやすく即効性もある”今回の介護予防をクローズアップしたことは評価できます。けれども、(厚労省も当然わかっているんでしょうけど)それだけで万事解決するほど、現状は甘くありません。

狭義の介護の枠組ではないかもしれませんが、給付費抑制の観点からは、従来よりも一層、成人病予防と健康づくりが求められます。石田氏の指摘する住民を巻き込んだ議論では、筋力トレーニングのような介護予防のみならず、成人病予防といった”目立たないがじっくり効いてくる”部分にまで、踏み込めることが理想でしょうね。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

介護保険日記50 介護サービスの限界生産性について

職場の同僚に、内閣府のペーパーの評価を聞かれてました。

私は計量を専門としていないし、これまでの彼らのペーパーを辿らないと対象者やデータの取得方法、推計方法等に関して把握できないようになっているので、試算結果については「ああそうですか」としか言えないのですが、そこから先の論述は「なんだかなぁ・・」の世界です。

特に、一人あたりの介護費用の伸び率が低下しているという指摘を、限界生産性逓増の話に結びつける部分が、どうも理解できません。

①2003年の制度改正で在宅サービスの報酬単価が減額され、同質のサービスを受ける際の負担額は低下している。
②同改正で、最も多く利用されている訪問介護の旧利用者についての減額措置が緩和され、自己負担額が3%から6%と2倍になっている(追加すれば、この措置に対応するため、利用料独自減免の調整を行なっている自治体も多い)
③制度開始当初の政策は、需要不足への配慮から介護サービスの積極的な利用に焦点が置かれていたが、制度変更前後から給付の適正化に軸足が移っている。

以上の3点を考慮した場合、一人あたりの介護費用の増加幅の低下が、どうして限界生産性の話につながるのでしょうか?(と、いうか、推計式をみると、これらの3点に配慮しているとは思えないのだが・・・教えて、詳しい人)

現場の意見としては、圧倒的な重要性を持つ②が①を相殺して利用者の自己負担が増えたこと、また、③により給付適正化が促進されたことで、サービス費用の増加幅を抑えられたと考えるのが自然だと思うのですが。
まあ、各種調査により介護需要の価格弾力性は低いと思われるので、どちらかと言えば②より③かな。


あと、後半の介護の生産関数自体も、よくわかりません。
私の読解が正しければ、各生産関数は以下の通り。
医療の生産関数・・・限界生産性は逓減。
通常財の生産関数・・・当初は分業による限界生産性の逓増
介護の生産関数・・・当初は分業による限界生産性の逓増、大規模になると限界生産性の逓減。

介護の限界生産性の逓増って、ホントにそうなの? というのが、先ほどまでの私の叙述。
加えて不可解なのが、大規模になると医療の生産関数と同じく限界生産性が低下するという記述。介護サービスで、本人の効用を最大化するモデルを援用することに、どこまで意味があるのでしょうか?

大規模を絶対量と解するなら、介護サービスを大規模に必要とする人は重度要介護者であり、彼らの多くは認知症を発症しています。重度の認知症の場合、契約の主体は家族になりますから、経済的合理性で判断すれば、介護サービスを利用することで、本人ではなく本人を支える家族の効用拡大が図られます。その場合、本人の生活維持より家族の生活維持(≒介護負担の軽減)が重視されてしまうことも珍しくありません。論文でも指摘されているように、介護はフォーマルとインフォーマルで代替性が強いのですから、公的介護に任せきりになることで、家族固有の役割が医療よりも薄くなる可能性すらあるのです。(だからこそ、自治体が給付適正化に取り組んでいるのです)

うーん、無理な論理展開に思えて仕方ないんだよなぁ・・

| | Comments (0) | TrackBack (0)

介護保険日記49 まずは役所に電話して

あー、何だか忙しい。土曜日も仕事だったし。

最近、例の「ホテルコスト」について、窓口や電話での相談が増えてます。
そのほとんどが「新聞を見て不安になった、3万負担が増えるなら施設利用を考え直さないと・・」、とのこと。


まったく、もう、、、いい加減な報道すなっ!!(゛ `-´)/ コラッ!!


相談者に確認すると、平均3万円増という部分はご存知なのに、低所得者への減免はご存知ないようです。どこの新聞のどういう記事か知りませんが、肝心な部分をきちんと伝えないでどうするのよ!? 

負担増を深刻に受け止める方は、ほとんどが住民税非課税なので、低所得者への減免についてしっかりご説明すれば、「ああ、よかった」と安堵してくださいます。
ですので、相談してくれる方はまだいいのですが(仕事が増えるので私自身は嬉しくないけど)、問題は、その背後にいるであろう、相談せずに施設利用を諦めてしまう高齢者です。
不正確な報道で、本来ならサービスを利用できる人が諦めてしまう、その責任を、いったい誰がとってくれるんでしょう。

そんなに心配なら、行政で周知活動を行なえばいいではないか、そんな意見もあるかもしれません。けれども、現行のものは、あくまで法案に付随する簡易なモデルであり、未だ国会で可決されてもいません。行政による責任ある周知活動が行なえるのは、少なくとも、法案が国会を通過し、具体的な負担額が決定してからです。

無責任な報道にはつくづく困っているのですが、今回もそのケース。
そんなわけで、介護施設利用のお困りごとなど、お電話でけっこうですから、まずは、お近くの役所までご相談ください。

| | Comments (1) | TrackBack (0)

介護保険日記48 ある日のできごと

今日も日曜なのに、家で仕事してます (p_q)
最近は残業が多いなぁ・・

ある日の職場・・

私「介護保険料徴収の年齢引き下げって、20~30代の理解得られると思います?」
同僚「そんなわけないでしょ。 かなめのパパも反対でしょ?」
私「そーですよねぇ。 それで考えたんですけど、障害者に介護保険を給付するなら、いっそのこと、ニートにも給付したらどないでっしゃろ?」
同僚「ニートにもかい(笑)」
私「自分がニートになるかもしれへんと思う若者は多いと思うんですよねぇ」
同僚「ニートに介護保険で何するの?」
私「認定審査して、高齢者が筋トレやってる側で技能訓練するとか・・」
同僚「そんなことでニートを引っ張り出せるかなぁ・・。」


またある日の職場・・・

私「今度できる地域支援事業って、広い意味での健康づくりなんですよね」
同僚「そうみたいだね」
私「だったら、みんなでマツケン・サンバを踊るのも地域支援事業になりますかね?」
同僚「マツケン・サンバ!?」
私「でも、ただのマツケン・サンバでは芸がないなぁ。役所のOT・PTを動員して、うまくアレンジして○○・サンバ(○○には、首長の名前)」
同僚「をいをい」
私「介護保険の地域説明会のときに、首長がメインで踊って、管理職が後ろで腰元ダンサーズをやれば最高ですね!」
同僚「・・・どこか遠くの世界に逝ってない?」
私「首長は知名度をアップするし、健康づくりにもいいし、悪いことないと思うけどなぁ・・」
同僚「却下」


| | Comments (0) | TrackBack (0)

介護保険日記47 介護保険3施設調査

労働組合の連合が、「介護保険3施設調査」をPDFでアップしています。

~以下、連合のご好意で調査報告の完全版がアップされましたので、若干の修正をしています。~

介護3施設に勤務する職員の労働環境を中心に調査したものですが、提示された調査結果に、あまり意外性はありませんでした。どこぞの社説で驚異と受け止められたようですが、少しでも介護の現場を知っているなら、妥当な結果と見えたのではないでしょうか。

概要版の3ページの要約については、もう少し詳しくコメントをば。

②人員配置基準については、どのようなケアを目指すかによって変わってくるものでしょう。ユニットケアなら、2:1くらいは必要になるのではないでしょうか。

⑤感染症予防は、従業員のみならず利用者の健康を維持する意味でも、真っ先に取り組むべき課題のはず。資格取得の際に感染症の教育を徹底するべきでしょう。意外だったのは、看護職と介護職で感染症対策を講じる比率に明確な差異があること。施設内部で情報の分断があるのでしょうか。

⑥介護職の「医療行為」が常態という結果には同感。もう、いくつかの「医療行為」を介護職に解禁しましょうよ。今のままでは、介護職だけがリスクを背負いすぎてしまいます。

⑧人間だもの、憎しみくらい持つことだってあるでしょ。大事なことは、その憎しみを行動に移さないこと。大丈夫、資料にも記載されているけど、家族の虐待に比べれば、施設での発生率は、はるかに低水準。プロとしての誇りを持って、虐待の発生率をより低下させるための取り組みをしていきましょう。


最後に、つくづく、組合があるって強いなぁと思います。
介護3施設の職員は、確かにハードワークで給料安いと思うけど、例えば在宅の居住系サービス(ぐるほや有料老人ホーム)の職員に比べると、待遇面でどうなのか。
おそらく、介護3施設>在宅居住系 でしょう。
けれども、在宅居住系に勤める職員の実態調査は、ほとんど行なわれていません。そしてその原因の一つは、労働組合の組織率と関わっているかもしれません。
雇用する法人と比較して被雇用者の情報収集力や交渉力が弱いものなら、組合が被雇用者をバックアップすることで、社会に適切な雇用環境が提供されます。在宅居住系に勤める職員の待遇が社会的に不適切な場合が多いなら、是非とも組合を組織することによって、バランスのとれた雇用環境を創出するべきでしょうね。

| | Comments (2) | TrackBack (0)

閑話休題 職縁結婚 

この前、ヘルパーの労働条件に関する文献を漁ったついでに、こんな研究をみつけました。

現在、若年層の雇用や所得の低迷が、晩婚化や非婚化を招いていると言われます。
たしかに、失われた10年(15年?)が若年層の晩婚・非婚化を促進し、ひいては出生率にも影響を与えていると思われますが、晩婚・非婚化の主因はそれではないはずです。なぜなら、本研究の指摘にもあるように、晩婚・非婚化は、少なくともここ30年ほど連綿と続いているのですから。

この前提で30年前と現代を比較すると、大きな論点として浮かび上がってくるのが、ここでいう「職縁結婚」です。

少し経済史を踏まえながら補足すると、オイルショックで終焉した高度経済成長は、日本の産業構造を大きく変えました。たくさんの若者が田舎から都市に出てきて、急成長する企業に大量採用され、農業を継がずにサラリーマンになりました。その結果、従来の農村社会ではあり得なかった出会いの機会が、会社という組織の中で若い男女にもたらされたのです(≒第2次ベビーブームかな?)

ただ、上記の説が正しいとするなら、どうして70年代以降に「職縁結婚」が低下したのでしょう。データで論証できるものではありませんが、私は漠然と、職場環境の変遷に原因を求めています。
サラリーマンなら、多かれ少なかれ、先輩から聞いたことがあるのではないでしょうか。
「昔は、職場の付き合いもずっとWetだったんだけどね。今はだいぶDryになったよ」 
Wetな付き合いには職務だけでなくプライベートも含まれるとすれば、そこには「職縁結婚」や「見合い結婚」の下地があるでしょう。職務とプライベートを峻別する昨今の傾向を憂うべきとは思いませんが、この峻別が職場を介した出会いを減少させ、相変わらずの長時間労働とも重なって、出会いの機会はぐっと少なくなり、非婚化が進展していると考えられます。

そうであるなら、その代わりとなる出会いの機会を創出する政策があっても、いいはずですね。
たしか経済産業省で、結婚相談企業の支援策を検討しているはず。
奈良県だったかな、結婚に対して積極的な政策をとっているのは。
こういうのは、あんまりお金かかりそうもないし、自治体でやってもいいかもしれません。

| | Comments (0) | TrackBack (1)

閑話休題 political compass

あちらこちらで話題になっているここで、私も判定してみました。

結果は、
Economic Left/Right: -5.38
Social Libertarian/Authoritarian: -1.33

ええ!? 経済では、私ってこんなにLeftなの??
たしかに、機会均等や社会的再分配を重視しているけど、アメリカではこのような評価になるとは思わなかった。
社会的には・・・まあこんなところかな。
traditionalなものに敬意を払うこととと、Authoritarianであることは違うから。
だから、ガンジーやダライラマもLibertarianなのでしょうし。
結果として、尊敬するマハトマ・ガンジーに近いポジションでした。
少し嬉しかったりして。(^^

| | Comments (0) | TrackBack (1)

介護保険日記46 法案がアップされました。

今、介護保険法施行法の一部を改正する法律案を厚生労働省のサイトで読むことができます。
2月4日に衆議院に提出され、NETでの公開は2月18日。
ずいぶんと公開に時間がかかるなぁ・・と思っていたのですが、実務レベルで重要な課長会資料も同日に公開されました。課長会資料、PDFで17M・・
ちなみに、全国課長会の開催は2月18日。開催当日に全部公開ですか。

介護保険法等の一部を改正する法律案については、要綱を株式会社医療経営研究所で、提出時法案を衆議院で確認することができます。

| | Comments (0) | TrackBack (1)

介護保険日記45 介護予防の基礎資料

介護予防の基礎資料、特にその効果を検証している研究は、あまり見当たりません。
今話題の筋トレにしろフットケアにしろ、身体にいいのは何となくわかるけど、対象者をどのあたりに設定するとどの程度の効果が見込めるのか、どこの自治体でも暗中模索ではないでしょうか?
厚生労働省が発表している資料でも、論文名がいくつかあげられている程度ですし。

介護予防を考える上で、予防効果の検証は是非とも押さえておきたいもの。あれこれ探してみたのですが、先行研究を一番よくまとめているのが、東京都老人総合研究所の介護予防緊急対策室かもしれません。Dr.シマダさんのレビューは、専門外の身にはなかなか参考になります。

ただ、これらの研究だけではまだよく解らないところがありますし、それぞれの予防サービスが別々に行なわれているので、例えば周期が異なる予防サービスを併給したときにアセスメントをどうすればいいか、など、運用面での疑念も残ります。
こういう検証や、その成果の紹介こそ、研究職の本分でしょう。
効果がはっきりしないと事務職は動けませんので(^^;、是非とも頑張ってほしいものです。

| | Comments (0) | TrackBack (3)

«復活します。