職場の同僚に、内閣府のペーパーの評価を聞かれてました。
私は計量を専門としていないし、これまでの彼らのペーパーを辿らないと対象者やデータの取得方法、推計方法等に関して把握できないようになっているので、試算結果については「ああそうですか」としか言えないのですが、そこから先の論述は「なんだかなぁ・・」の世界です。
特に、一人あたりの介護費用の伸び率が低下しているという指摘を、限界生産性逓増の話に結びつける部分が、どうも理解できません。
①2003年の制度改正で在宅サービスの報酬単価が減額され、同質のサービスを受ける際の負担額は低下している。
②同改正で、最も多く利用されている訪問介護の旧利用者についての減額措置が緩和され、自己負担額が3%から6%と2倍になっている(追加すれば、この措置に対応するため、利用料独自減免の調整を行なっている自治体も多い)
③制度開始当初の政策は、需要不足への配慮から介護サービスの積極的な利用に焦点が置かれていたが、制度変更前後から給付の適正化に軸足が移っている。
以上の3点を考慮した場合、一人あたりの介護費用の増加幅の低下が、どうして限界生産性の話につながるのでしょうか?(と、いうか、推計式をみると、これらの3点に配慮しているとは思えないのだが・・・教えて、詳しい人)
現場の意見としては、圧倒的な重要性を持つ②が①を相殺して利用者の自己負担が増えたこと、また、③により給付適正化が促進されたことで、サービス費用の増加幅を抑えられたと考えるのが自然だと思うのですが。
まあ、各種調査により介護需要の価格弾力性は低いと思われるので、どちらかと言えば②より③かな。
あと、後半の介護の生産関数自体も、よくわかりません。
私の読解が正しければ、各生産関数は以下の通り。
医療の生産関数・・・限界生産性は逓減。
通常財の生産関数・・・当初は分業による限界生産性の逓増
介護の生産関数・・・当初は分業による限界生産性の逓増、大規模になると限界生産性の逓減。
介護の限界生産性の逓増って、ホントにそうなの? というのが、先ほどまでの私の叙述。
加えて不可解なのが、大規模になると医療の生産関数と同じく限界生産性が低下するという記述。介護サービスで、本人の効用を最大化するモデルを援用することに、どこまで意味があるのでしょうか?
大規模を絶対量と解するなら、介護サービスを大規模に必要とする人は重度要介護者であり、彼らの多くは認知症を発症しています。重度の認知症の場合、契約の主体は家族になりますから、経済的合理性で判断すれば、介護サービスを利用することで、本人ではなく本人を支える家族の効用拡大が図られます。その場合、本人の生活維持より家族の生活維持(≒介護負担の軽減)が重視されてしまうことも珍しくありません。論文でも指摘されているように、介護はフォーマルとインフォーマルで代替性が強いのですから、公的介護に任せきりになることで、家族固有の役割が医療よりも薄くなる可能性すらあるのです。(だからこそ、自治体が給付適正化に取り組んでいるのです)
うーん、無理な論理展開に思えて仕方ないんだよなぁ・・
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